
こんにちは、アジア食器専門店サラヤシキの藤井です!今日は食器の安全性について、少々長めにお話をしていきます。
「赤ちゃんにも安全な食器」ってどんな食器?
食器は食べ物に直接触れるもの。
だからこそ、日常的に使用しても人体に影響の無い安全な素材で作られている必要があります。
大人ももちろんですが、特に抵抗力の弱い赤ちゃんや小さな子供が有害な物質を摂取してしまうと大変なことになってしまいます。
それを未然に防ぐため、検疫の食品監視課という部署が海外から入ってくる食品や食器の安全を守っています。
日本と異なる規格で作られた海外製の食器は、それが安全なものであるかを輸入前に検査し、検査証を提出することが食品衛生法によって義務付けられています。
例えば陶器製の食器を海外から輸入する際、カドミウムや鉛などの溶出検査を受けなければなりません。
この検査は検疫が勝手にやってくれるわけではなく、輸入者自身で専門機関に依頼する必要があります。
>>> 厚生労働省-食品衛生法上の登録検査機関について
ちなみに赤ちゃん用のおもちゃも検査対象になっています。赤ちゃんはおもちゃを口に入れることがあるので、食器と同じように安全な素材であることが前提とされています。
カドミウム・鉛の危険性
2024年秋頃のニュースで、大手中国通販サイトの商品から基準値を大幅に上回るカドミウムが検出されたことが話題になりました。
報道によると「Temu」で販売されていた商品を韓国の環境省が調査した結果、指輪のカドミウムの含有率は94.5%で韓国の基準値の945倍。また別のアクセサリーからは、最大で基準値の319倍の鉛が検出されたとのことでした。
>>> 日テレニュースNNN-中国系通販サイトのアクセサリーから基準値大幅超のカドミウム
どちらも人体には有害で、カドミウムは腎臓、肺、肝臓に障害を引き起こす可能性があり、鉛は貧血や頭痛、めまい、手足の感覚障害、腎障害などに加え、子供の認知発達、知的行動への悪影響が懸念されています。
安全な輸入食器の選び方
前述の通り、食器の輸入販売には専門機関による検査が必要です。
検査はアイテムごとに必要なため、色違いなどバリエーションを増やそうと思うと多額の検査費用がかかってきます。また製造元の協力も不可欠なため、正しい手続きで輸入するにはそれなりの根気と覚悟が必要です。
しかし昨今はフリマアプリの流行などにより、誰でも手軽に商品を販売できるようになりました。
正規の手続きを経て輸入された食器には必ず検疫のチェックが入りますが、手荷物として海外から持ち帰ったものをそのまま無許可で販売しているケースが多く見受けられます。
輸入食器を購入する際には、下記のような表記にご注意ください。
「現地では食器として使用されていますが、当店では雑貨として販売しています」
「日本の食品衛生法に基づき、装飾品として販売しています」
それらしく書いていますが、雑貨として販売=未検査のため食べ物を乗せる食器としての使用は自己責任ということです。
アンティークやヴィンテージのように正しい意味で観賞品として輸入を許可される場合もありますが、普通の食器に対して検疫官が「雑貨としてならOK」などと許可を出すことはありません。
そもそも税関の審査は非常に厳しく、検査証を提出できない場合は問答無用で発送元への返送or破棄の選択を迫られることになります。
なんなら検査証を提出していても「その検査結果が正しいかどうかを調べる!」と言って、抜き打ち検査を強行されることもあるくらいです。
▼検査証一例

サラヤシキではすべての商品で食品衛生法の検査をクリアしています。美しいデザインはもちろんですが、まずは実用品として安心して使って頂けることが大前提だからです。
輸入食器のプロとして、正しい手続きを経て日本の皆様にアジア食器をお届けしていきます。
>>>サラヤシキのベトナム・タイ食器一覧
